2015年6月20日 東京・有楽町 映画『愛を積むひと』の初日舞台挨拶に夫婦役初共演の佐藤浩市さん、樋口可南子さん、そして北川景子さんら、豪華出演者が登場しました。イベントの最後には、佐藤浩市さんの妻からのサプライズの手紙が披露され、手紙を読んだ樋口可南子さんが号泣、佐藤浩市さんも男泣きをするなど、会場全体が感動の雰囲気に包まれました。
佐藤
「この映画はたぶん映画の中に答えがあるという映画ではなくて、今日いまご覧になって下さった皆さん、一人ひとりの中に答えがあるという、そういう映画だと思います。」
樋口
「浩市さんがやっぱり、もう小技なんか俺はしない、そういうお芝居をして見せてくれたので、そこにもう自然についていけば芝居に関してはまったくもうストレスもなく、取材の間も何か浩市さんの後ろをついていけば、一生懸命宣伝出来たなあと思うし、心に残ったのは、時々取材の中に出てくる奥様のことをこの人は愛してるんだなあということを感じました。」
〜佐藤浩市さんの奥様からのサプライズの手紙〜
「結婚した当初、体があまり丈夫ではない私は、自分が死んだら保険金で好きな映画を作ってね、とあなたに言ったことがありました。もちろん、当時はまだ若く、死という存在が遠くにありました。でも、自分が浩市さんよりも先に逝ってしまうような気がしたのは本当です。今の私は違います。篤史さんと似ていて、役者の仕事しか出来ない浩市さん。あなたを残して旅立つことは、家族はもちろん、事務所のマネージャーさん、映画関係の皆様にとてつもないご迷惑をお掛けすることになり、それを思うととても先に逝くことなど出来ません。この作品を通じて、命には限りがあるということを痛感しました。当たり前の日常が、突然無くなることもあるということも。23年前に浩市さんから頂いたお手紙にあった、「僕は一生あなたの味方です。」という言葉を今も忘れません。私の一番の味方は浩市さんです。だから、どんな困難も乗り越えていきます。これからも家族でいろんな愛の形を積み上げて、たくさんの笑顔につなげていきましょうね。」
佐藤
「暑いから、汗かいちゃってね、可南子さんが泣くこと無いでしょう。やっぱり、字ってまた違う気持ちの伝わり方があるんで文字は、ありがたいもんだと思います。」
佐藤
「映画っていうのは本当に三つの終わりがあって、撮影が全て終了した終わりがあって、その後に半年間かけて、いろいろと編集をしたり、加工したり、音を入れたりしたりして、新しく映画が完成するその終わり。そして、今日、こうやって初日を迎えて、やっと皆様の目に触れることが出来るその作品の完成の瞬間。この終わりを待ち望みながら、今日まで1年間走ってきました。今日は、本当に有難うございました。」
映画『愛を積むひと』は、「日本で最も美しい村」北海道・美瑛(びえい)を舞台に、夫婦役の二人が第二の人生を北海道の大自然の中で過ごそうとした矢先、最愛の妻に先立たれ悲しみにくれる夫と、そんな夫に次々と届く妻からの「手紙」。そこに紡がれている想いが積み重なっていくことで、夫の再生への希望に繋がる感動の物語です。
原作は、翻訳本としては異例のロングセラーを続けているアメリカの小説。エドワード・ムーニー・Jrさんの『石を積むひと』。監督・脚本は、95年に映画「時の輝き」で監督デビュー、2004年には、「釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?」で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞し、人間ドラマの巧みな演出に定評のある朝原雄三さんです。「日本で最も美しい村」である北海道・美瑛町の映像や、見終わった後に温かい気持ちに包まれるのが特徴の今作。ぜひ映画館に足を運んで見て欲しい作品です。