5月13日、江戸東京博物館で映画『HOKUSAI』のトークイベントがおこなわれました。映画は5月28日に公開されます。
W主演として、葛飾北斎役を演じた柳楽優弥さん(青年期)と田中泯さん(老年期)が揃って登壇!2人は当日、江戸東京博物館所蔵の“あの波”(冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏)を含む貴重な北斎作品を鑑賞し、作品の持つ力強さや北斎が込めた想いを全身に感じながらトークイベントに登場しました。
さらには、世界に向けて日本の文化と思想を発信する活動を続ける書家/芸術家の紫舟さんがゲストとして登場!2014年にフランス・ルーヴル美術館地下会場で開催されたフランス国民美術協会展にて「北斎は立体を平面に、紫舟は平面を立体にした」と評され、最高位である審査員賞金賞を受賞しました。 アメリカやイタリア、スイス、スウェーデン、エジプトなど各国で作品を展示し、世界に向けて日本文化と思想を発信する活動を続けている紫舟さんは、本作を見て制作意欲が溢れ出たと話します。
紫舟さんは、「優弥さんの筆は、まさに呼吸をしているようで、手にも目がないと絵は描けないんですけれども、呼吸をしながら手にはしっかりと目がついているような、そんな美しい筆の所作だと思い、見惚れてしまいました」と、柳楽さんの筆遣いを絶賛していました。
最後に柳楽さんは、「北斎から感じたことは、強い生命力だったり、生き抜く!っていう強い気持ち」「そういう北斎のメッセージっていうのは、すごくいまの時代に必要なんじゃないかなと、きょうを通してさらに強く感じたので、多くの方の背中を押せるような作品になっていると思います」とコメントしました。
この映画は、青年期の北斎に関する資料がほとんど残されていないため、歴史的資料を徹底的に調べ、残された事実を繋ぎ合わせて生み出されたオリジナル・ストーリー。
貧乏絵師の北斎は、ある日才能を見出され、一躍人気絵師になる。そしてその後、70歳から描いた「富嶽三十六景」が大衆を魅了する。誰もが知るあの豪快な波の絵が生まれた背景にはどんなドラマがあったのか?そして表現の自由が抑制された江戸時代に北斎が燃え尽きる最期の瞬間まで絵を描き続けたのはなぜだったのか?!
絵で世界を変えた葛飾北斎の生き様を、劇場でご覧になってはいかがでしょうか。