【ファン必見】 細田守監督と宇垣美里が「高畑勲」を語る
- 2019/8/3
- 一般
3日、東京国立近代美術館にて「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」スペシャルトークが開かれ、フリーアナウンサーの宇垣美里さんとアニメーション監督の細田守氏が登場した。
イベントでは、宇垣さんが聞き手として細田監督の「高畑勲作品」への思いや青春時代のエピソードを引き出しながら展開した。
【高畑勲(1935~2018)】
1960年代から半世紀にわたって日本のアニメーションを牽引し続けたアニメーション映画監督。
長編初監督作品となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」で大人の鑑賞にたえる壮大なスケールの映像世界を作り上げた高畑氏は、その後次々にアニメーションにおける新しい表現領域を開拓していった。
70年代には「アルプスの少女ハイジ」(1974)や「赤毛のアン」(1979)などのテレビ名作シリーズで、日常生活を丹念に描写する演出手法を通して、ファンタジーとは一線を画した豊かな人間ドラマの形を完成させた。
80年代以降は、物語の舞台を日本に移し「じゃりン子チェ」(1981)、「火垂るの墓」(1988)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994)など、日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現するとともに、日本人の戦中・戦後の経験を現在から問い直すような力作を次々に発表。
遺作となった「かぐや姫の物語」(2013)では、スケッチの線を生かした描法に挑み、従来のセル画様式を乗り越える表現上の革新を達成した。
常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を追求した革新者・高畑氏の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、国内外の制作者にも大きな影響を与えた。
「高畑勲展」では、高畑氏の演出術に注目し、制作ノートや絵コンテなどの未公開資料も紹介しながら、その豊穣な作品世界の秘密に迫っている。